臨床パターン 16 2024年5月

AC関節痛

AC関節痛

序論と疫学

  • 鎖骨は上肢の支持と可動に重要な役割を果たし、体幹と連結し、鎖骨下血管と腕神経叢を保護する。
  • 鎖骨と肩峰の間にある関節内ディスクは、骨の不調和を矯正するのに役立つが、時間の経過とともに変性する可能性がある。
  • 怪我や関節炎はAC関節(ACJ)の痛みの一般的な原因であり、関節炎は、特にオーバーヘッドリフティングを繰り返し行う人の場合、関節への絶え間ないストレスから生じることが多い。

診断と分類

  • スクリーニングでは、鎖骨骨折や重度のAC関節分離を除外することが重要である。
  • AC関節分離症はRockwood分類(I-VI)に基づき分類され、グレードI-IIIは保存的に、グレードIV-VIは外科的に管理される。

臨床像

  • AC関節炎は徐々に悪化する肩関節痛を呈し、軽微な外傷や激しい運動によって増悪する。
  • 痛みは通常、肩の前方にあるか、肩と上腕に関連し、頭上での活動、重量挙げ、体を交差させる動作で悪化する。
  • 夜間痛、ポキポキ、カチカチ、ガリガリ、肩の動きに伴う引っかかり感などがよくみられる。診断には、外傷や傷害の既往歴に注意することが重要である。

審査

  • 屈曲/外転170°~180°で痛みを伴う弧を描く。
  • 整形外科的検査: パキシノサイン、ACせん断試験、AC抵抗伸長試験、AC関節線の柔らかさ
  • 文献に記載されている2つのテストのうち、クラスターでテストを組み合わせる方が有効性が高い。

治療

  • 安静、活動性の改善、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルチコステロイド注射、理学療法など、手術以外の治療が第一選択となる。
  • 症状の再増悪を防ぐためには、活動の修正が不可欠であり、理学療法は筋力と可動域の改善を目的とする。
  • ステロイド注射の有効性に関する明確なエビデンスはない。手術は、保存療法に反応しない重篤な症状が継続している場合に考慮され、関節鏡手術が一般的になってきている。
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